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礼拝説教要約(201834日)

わたしが命のパンである」   聖書・ヨハネ福音書62244

 イエス様は自分の時(十字架に贖いの子羊として架けられ、救いの使命を達成すること)が近づいていることをご承知でした。自分がいなくなった後、救いの福音を全世界に伝える使命を負う弟子たちは、まだ未熟でしたから、弟子を訓練する必要を感じていました。それ故、群衆を避けガリラヤ湖の向こう岸へと向かわれたのです。しかし、そこにまで群衆は押しかけてきました。寝食を忘れて付いてくる人々を憐れみ、又、弟子たちにイエス様ご自身が神の子・救い主であることを、更に確信できるようにと、イエス様はパンの奇跡を行なわれました。

 しかし、人々の受け止め方は、イエス様の意図とは違い、この世的な自分中心の考えでした。「イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り」(6:15)とあるように、イエス様に王となっていただければ国は豊かになるし、食べることに困ることもないというような、この世的なものでした。それで、求め方の間違いをイエス様は諭されました。「イエスは答えて言われた。『はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。』」(:26~27)と。「先ず、神の国と神の義を求めなさい。そうすればそれらの物は添えて与えられる」とあるように、人々の求める優先順位が間違っていたのです。身体を生かすパン(生きるに必要なすべてを指す)、この世の豊かさは、神の御旨を生きる人には、神はおまけとして与えてくださるのです。だから、先ず求めなければならないのは、罪の故に失ってしまった「永遠の命」です。それは、神が良しとして創造された調和の取れた世界。それを生かし、育み治める人間の使命に生きるとき、神は共におられます。これこそが神に祝福された者となることであり、永遠なる神の霊を持つ、本来の人間の姿なのです。

 イスラエルの民をエジプト(この世を代表する表現)から救い出だしたのも、約束の地(天国の雛形となるべき所)で、永遠の命を持つ神の子として人々が生きるためでした。救い出された者が、神の民として生きるためには信仰が必要です。その信仰訓練が、出エジプトの40年でした。彼らはこの40年の間、天からのパン・マンナを与えられました。「わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。」(:31)と、この出来事は、イスラエル人にとっては誇りでした。でもイエス様は、「モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、私の父が天からのまことのパンをお与えになる。」(:32)と、身体を生かすパンではなく、それは永遠の命へと導く「まことのパン」を与えるとの預表である。今、「お与えになる」のだよと現在形で語ったのです。

すると彼らは、「そのパンをいつもわたしたちにください」と言いました。それに対して、イエス様は「わたしが命のパンである」(:35)と宣言なさったのです。しかし、「ユダヤ人たちは、イエスが『わたしは天から降ってきたパンである』と言われたので」(:41)、かえって疑い、つぶやき始めましたのです。それはイエス様を神のもとから遣わされた独り子、救い主だと受け入れていなかったからです。

彼らの先祖が食べたマンナは、確かに神から与えられた天からの贈り物でしたが、あくまでも身体を生かすパンでした。「あなたの先祖は荒れ野でマンナを食べたが、死んでしまった。」(:49) しかしイエス様は、人の霊を生かし、神の子とするために、天から降って来られたのです。「わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるなら、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」(:51)とは真実です。

イエス様を食べる・イエス様を心に受け入れるとき、人は永遠の命を持つ神の子として生きることが出来ます。これが私たちの信仰です。

今日も、「これは主イエス・キリストのからだです。」「これは主イエス・キリストの血潮です」と宣言されて、パンとぶどう液を受ける聖餐式があります。信仰を持って受ける者にとって、聖別されたパンは、私たちを罪から贖うために裂かれた、確かにイエス・キリストのからだなのです。また、ぶどう液は、私たちのために十字架に架けられ、流してくださった、確かにイエス様の血潮なのです。これらを、信仰を持って受けるとき、キリストは、私たちの内に生きています。そしてこの内なるイエス・キリストの心に聞き従って行くとき、私たちはイエス・キリストに似た者へと変えられてゆくでしょう。

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