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礼拝説教要約(2018225日)

恐れないで、ただ信じなさい」 聖書・マルコ福音書52143

 シャローム!(皆さんに平安がありますように!)礼拝時、いつも交わしている挨拶でありますが、ご存知の通り、不安と恐れの中にあった弟子たちが一堂に集まっている所に、復活のイエス様が現われ、始めに掛けられたお言葉が「シャローム」です。

 「平安」それは、神によって造られたものが皆、神の御旨にかなって調和の取れた状態にあることであり、真の幸いです。創世記の創造記事には「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」(創世記1:31)と記されています。そしてそのような状態にあるとき、人間もまた、真の平安な心でいられるのです。現代はこの調和が崩れ、まことに不安定な状態にあります。そしてそこには、死、病、老の不安。対人関係の破壊・いじめ、ハラスメント、将来への恐れがあります。人間だけでなく、自然の破壊と汚染、そして、そのために多くの自然災害が起こっています。それは更に拡大し、はなはだ激しいものとなっていることは周知のことで、この世には恐れが満ちています。

 そのような状態は、神から人が離れて生きるという罪が原因であります。だから主イエス様は「恐れないで、ただ信じなさい」と言われるのです。

 マタイは福音書の終わりに、「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」(28:19~20)とイエス様のお言葉を記しました。イエス様が天にお帰りになっても、別の助け主である聖霊を送ると言われ、昇天しても、又来ると約束なさいました。だから、この全能なる愛の主が、いつでも共におられることをただ信じる。これが、恐れないで、平安でおれる唯一の道です。

 今日の聖書箇所にも、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われ、そして、12年間も出血の止まらない女性が癒されたのも、信仰でありました。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」(:34) でも、病が癒されるだけでない、「安心する」ことが大事なのです。

 この女性はなんと長い間、失望と悲しみの中にあったことでしょう。「多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。」(:26) このような出血の病は「汚れた者」として、人と接する事を禁じられていました。接した人も汚れてしまうからです。だからこの女性が群衆の中に紛れ込んだのは律法違反であります。イエス様に癒していただけなければ死んでも良いと決死の覚悟だったのでしょう。いや、必ず癒してくださるとの信仰が、イエス様の力を引き出したのです。「わたしの服に触れたのはだれか」(:30)とイエス様が言われたのは、群衆がいても、信仰を持っていなければ、イエス様の御力は働かないことを示しています。そして名乗り出ることは、自覚的に主の前に出、信仰を公にすることの大事さを示しています。信じていても公に告白しないなら、その信仰は又、いつしか消えてしまうのです。だから、信仰告白を会衆の前で公にする洗礼式を行なうのです。

 でも一方、娘の病を癒してもらいたくて、イエス様のところに来てひれ伏してお願いした会堂長ヤイロも必至の決断をしていました。なぜなら、会堂長はレビ人や祭司の上に立って、その会堂で行われるすべてのユダヤ教儀式を差配する責任者だったからです。祭司やファリサイ人はイエス様を神から遣わされた人と認めていないどころか、かえって神を冒涜するものとして敵対心を持つ者が多くいました。それ故、イエス様のもとに行くことは彼らからの非難を受けることになるはずです。それは、会堂長を辞めさせられる可能性が高くなるということです。多くの人は家族を犠牲にしても、高収入の仕事からは離れたがりません。しかしヤイロは、娘を助けたいとの愛の方が勝利しました。又、イエス様に対する信頼がヤイロを突き動かしたのです。

 でも、長血を患う女性にイエス様が対応している間に、「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすにはおよばない」(:35)との知らせが入りました。会堂長は残念だったでしょう。でもイエス様は、「恐れることはない。ただ信じなさい」(:36)と言われたのです。ヤイロはこのイエス様のお言葉を信じたのです。信じる者は救いを得ます。イエス様と共に家に帰ったヤイロは、大声で泣きわめいている人々を見ましたが、イエス様に対する信仰を持ち続けました。そのような信仰をイエス様がはずかしめることはありません。娘は生き返り、神の栄光を人々はヤイロと共に見たのです。誰でも、信じる者は神の栄光を見れるのです。

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