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礼拝説教要約(20161127日)

「光について証しする者」     聖書・ルカ福音書1525

 今日よりアドベント(待降節)に入ります。アドベントとは本来は降臨と言う意味です。救い主が天から降って来るのを待ち望む。これは罪の世界に住む者にとっての願望であります。それがクリスマスとして実現しましたが、今も世には罪が満ちております。そのような世に、主キリストはもう一度おいでになると言われて、天に帰られました。主の再臨を待つ、これが現代に生きる私たちのクリスマスを待つ心の姿勢です。ですから、アドベントの期間の挨拶を「マラナ・タ(主よ、来てください)」に致しましょう。マラナ・タ!

 聖書の民・イスラエルは、救い主のお出でを待ち望んだ民です。しかし又、何と、過ちに陥り、人生の方向感覚が狂ってしまったことの多かったことでしょう。いえ、イスラエルだけではありません。人間全てが生きる目標を見失い、滅びへの道を歩きました。聖書ではこれを「罪」と呼んでいるのです。イスラエルはこのような人間の歩みを代表しているのです。神のもとから迷い出、神の与えようとしている幸い、命の道ではなく、不幸な滅びの道を歩んでいる。旧約聖書にはそのような、人間の滅びへの歴史が書いてあると言えましょう。神はこの民を正しい道に導き返すために、預言者を遣わされました。預言者とは、神の言葉を預かり、人々に語る使命を持っている者です。語るのは神の言葉ですから、決して誤りのない、また、永遠に変わることのない真理であります。

 本日の聖書箇所で「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。」(:13)と誕生予告されている人物こそ、本日の主人公です。このヨハネは旧約最後の預言者となります。新約聖書に記されている人物ですが、救い主イエス・キリスト以前の人ですから、旧約の人物と言わねばなりません。旧約の預言者たちは、民の罪を指摘し、救い主の到来を預言いたしました。それと同様にヨハネも、罪の悔い改めを宣べ伝え、救い主の到来を、イエス様を直接指差し「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ」(ヨハネ1:29)と告げることになるのです。

 彼の両親はアロンの子孫で祭司夫妻です。「二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。」(:6)のですが、子がなく、既に老年になっていて、子の与えられる望みもありませんでした。しかし、奇跡が起きたのです。ザカリアが一生に一度あるかないかという、主の聖所に入って香を炊く奉仕を与えられました。くじを引いてこのように決まったのは、神のご計画でした。ザカリアが聖所に入って香を炊いていると「主の天使が現れ、香壇の右に立った。」(:11)のです。そして、不安と恐れの中にあるザカリアに、ザカリア夫婦の祈りが聞かれ、男の子が生まれること。その子の名をヨハネと名付けること。その子は母の胎にいるときから聖霊に満たされており、イスラエルの子らを神である主に立ち帰らせること。この子はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を得させて、準備のできた民を主のために用意する(:13~17)使命が与えられていることを告げられたのです。

 イスラエルの民は救い主のおいでを待ち望んでおりましたが、おいでになっても、分かるだろうかと不安に思っておりました。それで、「見よ、わたしは、大いなる恐るべき主の日が来る前に、預言者エリヤをあなたたちに遣わす。(マラキ3:23)」という、救い主のおいでの前に来るエリヤを待つようになりました。なぜなら、エリヤは既に世に現れた預言者で、聖書の民ならその姿かたちを、誰でも知っている人物だったからです。そのエリヤの霊を持ち、救い主の先駆けとしての使命を持って、ヨハネはこの世に来たのです。

 このヨハネをイエス様が「おおよそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。」(マタイ11:11)と、旧約の預言者中、最も偉大な者と言われたのは、救い主を指差すその指が、まさに、イエス様に触れていたからです。もはや誰も間違いようがないように、救い主の預言を完結させたのです。

 使徒ヨハネはこの洗礼者ヨハネを「彼は光ではなく、光について証しをするために来た。」(ヨハネ1:8)と紹介しています。救い主は人間に命を与えるために来られるのです。だから、命の創造者でなければなりません。使徒ヨハネは、イエス様を天地創造のとき働いた「言なる神」と表現します。そして「言葉の内に命があった。命は人間を照らす光であった。」(ヨハネ1:4)と言います。この世は罪の故に暗闇になっていますが、イエス様はこの世を照らす光として来られたのです。イエス様ご自身「わたしは世の光である」(ヨハネ8:12)と宣言なさっています。今日の主人公ヨハネは、この光なるイエス様を証しするため来たのです。

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