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礼拝説教要約(20161113日)子ども祝福JC・一般合同礼拝

「主が油を注がれた者」      聖書・サムエル記上26112

 「オーイ、サウルの兵士たちよ!勇士アブネルよ!おまえは王を守る立場だろう。でも、王の枕元にあった槍と水差しは、消えているだろう。今どこにあるか?」とサウル王の軍勢がいる反対側の山から呼ばわる声があります。サウル王はダビデの声と気づき「この声はわが子、ダビデではないか。」と答えました。

 王の枕元にあった槍と水差しを取って行けたということは、その時、ダビデがサウル王を殺そうと思えば、確実に殺すことができたということを意味します。ペリシテ人からイスラエルを救ったダビデ。その後の戦いに於いても軍の隊長として何回もイスラエルに勝利をもたらし、サウル王の娘・ミカルを妻として与えられ、サウル王家の一員となっているダビデ。イスラエルの民に最も愛されているダビデを、サウル王は殺そうとして、3千人の精鋭部隊を率いて出て来たのです。何故でしょう。それは妬みからでありました。自分は神から見捨てられたのに、代わってダビデが神に愛されている。それだけでなくイスラエルの民からも「サウルは千を討ち、ダビデは万を討った。」(サムエル上18:7)ともてはやされ、愛されているのがねたましかったのです。

 それで今までにも、何回もダビデを殺そうと致しました。サウル王が悪霊に悩まされているのを静めようと、ダビデが竪琴を奏でていた時、壁に突き刺し殺そうと槍を投げつけたことが2度。戦場でペリシテ人の手で殺されるよう仕向けたこと。娘ミカルを妻に迎えるよう勧めた事も、策略でダビデに命懸けの難題を与えて殺すためでした。また、ヨナタン王子がダビデを自分の命のように思っていることを知らないサウル王は、ヨナタンと家臣に命じて殺そうとしたこともありました。また、家で寝ているダビデを襲わせ殺そうと計ったときには、ミカルの機転で命拾いしました。ダビデをかばい執り成すヨナタンをさえ、槍で刺し殺そうとしたサウル王のもとを離れ、ダビデはついに逃亡者とならざるを得なかったのです。そのダビデを、サウル王は軍を率いて殺しに来たことが、前にもありました。その時も、神がダビデにサウル王を殺すチャンスを与えたにもかかわらず、「主が油を注がれた方に、手をかけてはならない。」と、衣のすそを切って、自分には王に反逆する意志はないことを示しました。その時サウル王は「今日のお前のふるまいに対して、主がお前に恵みをもって報いてくださるだろう。今わたしは悟った。お前は必ず王となり、イスラエル王国はお前の手によって確立される。」(サムエル上24:20~21)とまで言ったのに、又もや、ジフの荒れ野にダビデが居ると告げる者がいて、殺そうと出て来たのです。

 ダビデは、自分を殺そうとするサウル王を殺すチャンスが与えられました。「神は、今日、敵をあなたの手に渡されました。さあ、わたしに槍の一突きで彼を刺し殺させてください。」(:8)と家来さえ言うのに、なぜ、殺さなかったのでしょう。ダビデは言います「主が油を注がれた方に手をかければ、罰を受けずには済まない。…主が油を注がれた方に、わたしが手をかけることを主は決してお許しにならない。」(:911)と。既に、神に捨てられたとはいっても、一度は、神に選ばれ、王となるべく油を注がれ、用いられた人だからです。

 自分で復讐することを神様は許しません。神は言われます「自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる。」(ローマ12:19)と、かえって「悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい。」(ローマ12:21)と言われます。だからといって、これは簡単に出来ることではありません。これは、神に対する絶対的信頼がないとできません。ダビデは「主は生きておられる。主がサウルを打たれるだろう。時が来て死ぬか、戦に出て殺されるかだ。」(:10)と、主に信頼し、主がわたしに代わって戦ってくださると、主に全くお任せしました。

 ダビデは「油を注がれる」ということの意味を良く解っていました。彼もまた「油を注がれた者」だったからです。油注がれた人は、神の決定を大事にし守るのです。ダビデは自分が、油を注がれた人を大事にしなければ、自分も油を注がれた人として大事にされないことを知っていました。ダビデは、神様が自分を王とすること、それだけでなく、その子孫も王位を受け続けることを信じていました。良い信仰の見本を示したからこそ、ダビデ王家を裏切り、殺して王位を奪う者は起こりませんでした。それどころか、このダビデ王の子孫から、王の王、主の主である救い主・イエス様が生まれることになったのです。

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