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礼拝説教要約(2016828日)

「イエスから目を離さず」  聖書・マタイ福音書142233

 キリスト者はイエス・キリストから目を離せば、何の力もないことを、今日の聖書の箇所は良く示しています。イエス様は言葉としても「わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」(ヨハネ15:5)と言っています。この世の事ができないのではありません。滅びへと向かわせるこの世のことは出来ても、永遠へと続く、命を育む業が出来ないと言っているのです。

 ペトロはガリラヤ湖の漁師で、弟子の中では最年長者で、既に結婚もしていました。そして、ここでの行動がペトロの気質を良く現しています。猪突猛進。「思い込んだら命懸け、男の心」という歌がありますが、まさにその通り、前後の見境なく、失敗も多くあります。でも、何となく憎めない。愛される理由もこの単純、率直さにあるようです。

 今日の出来事は、パンの奇跡を体験した直後であります。興奮冷めやらぬまま、彼らはイエス様に言われたとおり船に乗り、向こう岸へと向かいました。(:1) しかし、この日の天候はいつもと違いました。夕方から夜明け近く、かれこれ10時間も経ったのに、「陸から何スタディオン(1,2km)か離れ」ただけでした。ガリラヤ湖は南北21km、東西13kmですから、ペトロやヨハネ、ヤコブたちベテラン漁師だった彼らなら、もうとっくに向こう岸に着いているはずです。でも、異常な逆風に、湖は猛り狂っておりました。不安と疲労の中にあった彼らの方へ、荒波の上を歩いて来られる何者かがおります。もちろんそんなことを出来るのは人であるはずがありません。弟子たちの不安は吹き飛び、恐怖が彼らを包みました。「幽霊だ!」幽霊が自分たちを死の世界へ迎えに来た。しかしそうではなく、イエス様でした。この一つをとっても、イエス様が単なる人間ではないことを認めざるを得ません。でもイエス様が「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」(:27)と言われた時、弟子たちの心から恐れは消え、静まりました。

 するとペトロは「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」(:28)と言いました。これがペテロのペテロたるゆえんです。でも、他者は言うでしょう。「お前バカじゃないの、そんなこと無理、無理!ちょっと考えれば、分かることじゃない!」と。でもこのような信仰の持ち主、いるんですよね。私が神学生の時、遣わされていた教会に、朝の礼拝、夕の伝道礼拝を忠実に守るご夫妻がいました。ある時、奥様が証ししてくださったのです。ご夫婦で旅行に行って船に乗った時、突然ご主人が「主の御心なら、私も水の上を歩けるはず」と言って、船から降りようとしたのだそうです。もちろん奥様は「イエス様があなたに、ほんとにそういわれたの?」と、あわててそれを制止されたそうです。笑い話になってしまいそうですが、大人になっても、そのようなに純粋で単純な信仰をもっておられる兄弟を羨ましくも思いました。ほんとにこのご夫妻は仲が良くて、主に祝されていました。ペトロは「来なさい」と言われたイエス様の言葉を信じて湖に降りました。その行為は命を懸けることでありました。その人の言葉を信じるとは、その人を全く信頼し、命さえも委ねることであります。そしてペトロは歩いたのです。これによって、ペトロは神の言葉を体験したのです。このような信仰を体験することが、信仰深い霊の人に成長する秘訣です。私たちも「み言葉ですから」と信じて実行して行きたいですね。

 しかし、彼らを苦しめた問題・風も波も治まっていたわけではありません。いちだんと強い風が来ました。ペトロはイエス様から目を離し、周囲の荒波に目が向きました。その時、心がその問題に奪われ、恐怖がもどって来て沈みかけたのです。私たちにも恐れや不安が、信仰を飲み込んでしまうときがあります。でも何と幸いでしょう。「主よ、助けてください。」と叫ぶと、そこに主の助けの御手があるのですから。 彼はこの信仰体験により、又、一歩、成長しました。

 私たちも平穏であるにこしたことはありませんが、その平穏な時こそ、主を身近に感じる生活をしたいものです。人生の嵐に出会ってから、慌てふためいて「主よ、助けてください。」と叫んでも、確信と平安を得ることは困難です。それは「苦しいときの神頼み」で、偶像信仰と大差ないからです。真の信仰による平安は、嵐の中、問題が未だ解決されていなくても与えられるのです。嵐の中でも「枕をして眠っておられた。」(マルコ4:38)主イエス様が共にいてくださるからです。この真の平安をお持ちであるだけでなく、いつでも造りだすことの出来るお方に信頼し、目を離さないようにしましょう。私たちの最善ではなく、イエス様が最善と思う時に、最善の解決をしてくださるのです。

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