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礼拝説教要約(201665日)

「マケドニア人の幻」     聖書・使徒言行録16634

 イエス様の弟子・キリスト者はなぜ、殉教者が出ても、艱難に遭っても、キリストの福音を宣べ伝え続けたのでしょう。「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい」(マタイ28:19)との、復活のイエス様のお言葉だからです。でもそればかりではありません。弟子たちが真の幸福である「神の国」を体験したからです。

 「神の国」はどこにありますか? イエス様は言われました。「実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」(ルカ17:21)と。そして「イエスは『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言って、宣べ伝え始められた。」(マタイ4:17) そればかりではありません。十字架に架けられながら「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」(ルカ23:43)と悔い改めた罪人に、神の国の約束をしました。そして「成し遂げられた」と、神の国の実現を宣言して、息を引き取られたのです。弟子たちはこれを信じました。そして信じて生きる中で、神の国を体験しているのです。これを最も良く現している出来事が、今日の聖書箇所だと言えるでしょう。

 アンティオキア教会から世界伝道へと派遣されたパウロたちが、小アジアで伝道したことにより、多くの人が福音を信じ、キリスト者の群れ(教会)ができました。そして、パウロとシラスはフォローのため、再度、小アジアへと派遣されたのです。途中、テモテもこの伝道旅行に加わりました。

 「彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、…イエスの霊がそれを許さなかった。」(:67)とあるように、伝道旅行の計画を彼らが立てても、閉ざされ、うまく行きませんでした。人的妨害というのではなく、山崩れや洪水といった自然の力によるものだったのでしょう。そして海辺の町トロアスへと導かれました。そこでパウロは「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」(:9)と言うマケドニア人の幻を見たのです。これを主の導きと信じ、パウロ一行は海を越え、ヨーロッパ伝道をすることになったのです。

 「パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。」(:10) これは面白い記述です。6節ではこの一行を「彼ら」と書いてありましたが、マケドニア人の幻に出会った後、10節では「わたしたち」となっています。「わたし」とは使徒言行録を書いたルカです。ですから、このマケドニア人の幻とはルカであり、彼がヨーロッパ伝道、世界伝道の幻を伝える使者として主によって遣わされ、この一行に同行することとなったのです。

 ヨーロッパ最初の伝道地はフィリピでした。パウロの話を聞いて、最初に洗礼を受けたのは、リディアという紫布を商う婦人とその家族でした。彼女は「神をあがめるリディア」(:14)と記されていますから、異邦人でありながら、偶像崇拝者ではなく、イスラエルの民が信じている天地創造の主なる神を信じている人だったのでしょう。でも良いことばかりではありません。霊的に敏感なため占い師にさせられていた女奴隷の霊をパウロが追い出しました。そのため、この女性を金儲けの道具にしていた主人が、パウロたちを役人に訴えました。パウロとシラスは取り調べられることも無く、理不尽な一方的な訴えにより、鞭打たれ、足枷をはめられたうえ、牢屋に繋がれてしまったのです。しかし、パウロとシラスはいつもと変わりない生活態度でした。鞭打たれ痛い体、獄屋の中であるにもかかわらず、讃美し、主に祈りを捧げている。どんな境遇であろうとも、真の神への信仰が、彼らに平安と感謝の心を与えてくれました。このピンチの時さえ、チャンスの時へと変えたのです。「すべてのことが働きて益となる」とは真実です。

 主は、大地震を起こされました。「牢の戸がみな開き、全ての囚人の鎖も外れてしまった。」(:26)ことから、普通の地震ではなかったことが分かります。しかし、牢の戸が開いているのを見た看守たちは、囚人たちが逃げてしまったと思い込み、自殺しようとしました。なぜなら、この時代、囚人を逃がすという失敗をしたら、自分が変わって、その罪を担わなければならないからです。その時パウロは「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」(:28)と叫びました。驚くべきことです。パウロやシラスはもちろん、だれ一人逃げなかったのです。看守らの恐れは畏怖れに変わりました。そして、看守はパウロらを家に連れて行き、主の言葉を聞き、全員で洗礼を受けたのです。(:2934) マケドニアをはじめ、ヨーロッパ世界への福音宣教の幻が現実へと変わった時でした。

 私たちも未だ真の神・救い主を知らない人々への、福音宣教の幻を持ちましょう。家族、友人の救われる幻。それとも無理! あなたの幻はどちらですか?

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