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礼拝説教要約(2016424日)

「神の恵みの証人となる」    聖書・ルカ福音書82639

 「神の恵みの証人となる」ということは、先週のメッセージで言うなら「イエス・キリストが自分の病を癒してくださった。それだけでなく、心をも解放してくださった」と、自分が経験したことを、そのまま語ることであります。今日の悪霊を追い出してもらった人も、「その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとく町中に言い広めた。」(8:39)とあるように、自分に起こったことを語らずにはおれませんでした。でも、真実を語るということは、時として、困難が有ります。それは周囲の環境により、規制されたり、疎外されたりするためです。

 鎖国制度の江戸時代に、日本でキリスト教を宣べ伝えることは、不可能だったと言えるでしょう。75年前の日本帝国主義の戦争時も、言論が制約され、統制されました。そして現代は、キリスト教信仰を証しすることは全く自由です。でも、日本人の経済第一主義的価値観や、日本の伝統を築いてきた神道、仏教の考えや風習が、習俗として定着し、それに慣らされています。それだけでなく、益々、表現報道の自由に警鐘が鳴らされる時代になりつつあります。世界の報道自由をランキングする機関が有ります。それによると日本の報道の自由ランキングは72位だそうです。安部政権になって急激に、この順位が下がってきたのです。国連特別報告者のデビッド・ケイ氏はこの傾向、原因を、特定秘密保護法の制定。抗議活動への過剰な力による阻止行使。政府批判などをする放送局を、電波停止にするという大臣発言による政治的公平の欠如。メディア幹部と政府高官の密接な関係等により、記者やジャーナリストが自主規制する傾向が現れているためだと分析している。真実が語れなくなることは悲しく、恐ろしいことです。

 少し「真実を語ることの困難」に話がそれてしまいましたが、もとに戻しましょう。ガリラヤの向こう岸、異邦・ゲラサ人の地での出来事です。悪霊に取りつかれている男の風貌、異常なまでの怪力と行動により、人々は恐れをなしていました。しかし、イエス様がそこに行かれると、この男は恐れて、「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。頼むから苦しめないで欲しい。」(:28)とわめきながらひれ伏しました。これは、この男というより、この男を支配している汚れた霊の叫びであります。この悪霊は自分の名を「レギオン」と言いました。「レギオン」とはローマ軍隊の3000人から6000人もある一軍団の呼び名で、後に「軍隊」という意味で用いられるようになりました。イエス様の権能を知る悪霊は、イエス様に「底なしの淵へ行けという命令を自分たちに出さないように」(:31)と懇願しました。それは、イエス様が即座に、永遠の滅び(地獄)へ追いやることができるお方であることを知っていたからです。そして悪霊どもは「豚の中に入る許しを願い」許されました。すると「2000匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々と溺れ死に」(マルコ5:13)ました。豚飼いたちはこれを見て逃げ出し、村人たちに知らせました。豚が村の共同財産だったからでしょう。

 村人たちはイエス様を恐れました。そして出て行って欲しいと願ったのです。村人たちは失った2000頭の豚と、悪霊を追い出してもらい正気になっている人とを比べました。彼らにとっては正気になった一人の人より、2000匹の方が価値有るものだったのです。ここに神と、この世の人の価値観の違いがあります。一頭1万円として2000万円と一人の人の命とどちらが尊いのでしょう。

 残念ながら、この村人たちは、イエス様を人に幸いをもたらすために来られた救い主として受け入れず、損を与える厄介者と判断したのです。しかしこの癒された人は、救いを体験し、イエス様を救い主として受け入れました。

 あなたはイエス様に「自分たちのところから出て行ってもらいたい」と言う人になりますか。それとも、「お供したいとしきりに願う」人になりますか。

 この人は12弟子のように、イエス様と共に行くことは許されませんでした。その代わり、「自分の家に帰りなさい。そして、神があなたになさったことをことごとく話して聞かせなさい。」(:39)と言われました。人にはそれぞれ使命があります。直接伝道者になること事は大事ですが、家に留まって、家族伝道を、更に地域伝道をすることも同じように大事なのです。この悪霊を追い出してもらった人は、悪霊つきだった怖い人、村に損を与えた者として、村に帰っても、なかなか受け入れてもらえなかったかもしれない。しかし、主が敢えて、「家に帰りなさい」と言われたのは、この人がこの村に福音を伝える最適の人と知っていたからでしょう。主のお言葉に従って、よき証し人と成りたいですね。

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