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礼拝説教要約(2016228日)

」      聖書・ヨハネ福音書13120

 洗足の出来事は、最後の晩餐の時、受難週木曜日に起こったことでした。私たちの教会でも、この聖書の記事に習って、受難週のスタートする棕梠の主日に、洗足礼拝を行なっています。今日は少し早いですが、この洗足について、共に考え、学んでみたいと思います。

 ルカはこの最後の晩餐の時、弟子たちが“誰が一番偉いか”議論をしていたと記しています。「使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論が起こった。…あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」(ルカ22:2426)イエス様は、このように未熟な弟子たちの記憶に残るように、言葉ではなく、行動で教え諭しました。それがこの洗足の行為だったのです。

 でもなぜ、3年もイエス様と寝食を共にして教えられてきたはずの弟子たちが、このような議論になってしまったのでしょう。それは棕梠の日の出来事です。

民がイエス様を「主の名によって来られる方、王に祝福があるように!」と棕梠の葉を打ち振り、喜び迎えたからです。弟子たちも“イエス様がついに、王になられる時が来た。だったら、直弟子の私たちは大臣か!”と思ったのでしょう。「誰が一番」功名心、偉さを誇りたいとの思いは、人間の心に深く根付いていることを、この弟子たちの姿が示しています。私たちも注意すべきです。

 イエス様が弟子たちの足を洗った理由として、3つのことが考えられます。
 1、「世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた。」(:1)とある、愛の表れです。全世界の人々にイエス様が示された最高で最後の愛は、身代わりの贖罪死である十字架です。でも弟子たちには、洗足をもって表わされた愛を生きることが、弟子である証しであると言われるのです。弟子たちは能力も性質も色々です。でも種々の賜物が互いに良く組み合わされると、一つの完全なものになれます。キリストの体なる教会を立て上げるには、この愛による一致しかないのです。でも弟子たちは足を洗い合うどころではありませんでした。本来なら弟子たちがイエス様の足を洗って差し上げるべきです。でも、誰も洗おうとはしませんでした。しかし聖書の中でイエス様の足を洗った人物がいます。「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。…この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」(ルカ7:44,47)とイエス様は言われました。既にどんなに自分が大きな愛を頂いているかに気付けば、人は謙遜に、そして愛を生きる人になれます。

 2、神の国は、「偉い者、上に立つ者が仕える者となれ」との模範を示されたのです。本来、足を洗うことは僕の働きです。もし僕がいないなら、最も地位の低い者が洗ってさし上げるのが慣わしです。しかし「主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。」(:14) これは、愛のみが支配する天国の姿です。私たちも仕え合うことで、天国の住人である証しを立てられます。本日は役員選挙です。役員は、皆が選出するわけですが、この世の議員たちのように「先生、先生!役員さん!」と奉られるのではなく、率先して僕となり、仕え、奉仕する人々です。先に言ったように、これは愛がなければ出来ないことです。だからこそ、愛をもって奉仕する役員さんのために祈り、尊ぶべきなのです。そして何よりも、主のもとに帰った時「良くやった。善かつ忠なる僕よ!」とお褒めの言葉を頂きたいです。

 最後まで愛し抜く愛の模範、また、上に立つ者が仕える、天国の民の模範であるだけでなく、3番目に、この洗足には救済的意味があります。救われただけでなく、主の御姿に似た者へと成長してゆく「潔め」であります。「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。」(:10)とは、洗礼を受けた者は、神の目に全ての罪が消され、神によって造られた初めのように、全く清い者と見て頂けると言っているのです。しかし、日々の歩みの中で、私たちの足は汚れます。地上にある間、私たちは完全ではありません。弱さの故、地上の旅路の間、過ちを犯してしまいます。しかしこの罪、汚れを主は洗ってくださるのです。「この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。」(ヘブライ725)
主に足を洗ってもらい、また、互いに足を洗い合ってまいりましょう。

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