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   礼拝説教要約(2016117日)

」      聖書・ルカ福音書4113

 皆さんは誘惑を感じ、又、受けたことがありますか。イエス様でさえ誘惑を受けたのですから、誰だってあるでしょう。誘惑を感じることは罪ではありません。これは自然のことで、当然あることなのです。それは人間に与えられている本能とでも言いましょうか、欲望があるからです。食欲、これがなければ、人は死んでしまいます。性欲、これがなければ子孫は残らないでしょう。名誉欲、これは向上心とか探究心と結びついています。名誉を求めることはあまりよろしくないと考える人もいますが、パウロは「兄弟たち、すべて真実なこと、すべて気高いこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なこと、また、徳や賞賛に値することがあれば、それを心に留めなさい。」(フィリピ48)と、名誉を貴ぶよう勧めています。ただこれら欲望を貪るなら罪となります。つまり、貪欲になってはならない、節度が必要なのです。

 サタンはこの欲望を掻き立て、誘惑し、私たちを神から引き離そうとするのです。最初の人アダムも、神に祝福の基となるべく選ばれた民・イスラエルも、このサタンの誘惑に敗北しました。サタンは神の国を回復しようとする者を、必ず誘惑します。人を罪の滅びから救い、祝福をもたらす働きをスタートしたイエス様に対しても、誘惑の手を伸ばしてきました。しかしイエス様はその誘惑に打ち勝たれたのです。それは私たちにとって、サタンに勝利する秘訣の見本となりました。

 サタンの最初の誘惑は何でしたか?
 イエス様の使命を逸らしてしまうことでした。「イエス様の使命」それは、名に表現されているように、罪を取り除き、人を罪から救うことでありました。そしてそれこそが「十字架による贖いの道」だったのです。しかしサタンは、人の不幸の原因は罪ではなく、食料に代表される“物不足ですよ”と言うのです。日本にも古くから「衣食足りて礼節を知る」という、中国春秋時代の思想家・菅仲の格言が知られています。衣食住が豊かになれば人は罪を犯すことがなく、幸福になると。だから、サタンは「あなたの神の子としての力を用いて、手っ取り早く、石をパンに変えて、人々の必要を満たしなさい。そうしたら人々はあなたを神の子・救い主と認めますよ。」と誘惑したのです。確かにイエス様にはその力があります。後にパンの奇跡を行ないました。でもそれは愛から出た行為です。そしてそれは自分の使命である罪の解決にはならないことをご存知でした。又、イエス様の空腹時に、誘惑したのは、神の子の力を救いのためではなく、先ず、自分のために用いなさいとの誘惑でもありました。

 第2の誘惑は、権力と繁栄を与えようというものでした。この世はサタンが自由に力を発揮するところです。この世の支配・王権をも与えることが出来ます。サタンは常に、人々の心の目を神の国ではなく、この世に向けさせようとするのです。そうすれば、この世を支配する自分の思う通りに、人を操ることが出来るからです。「あなたが王になれば、この世をあなたの思い通りの幸いな国に作れるじゃないか!」と、イエス様を誘惑したのです。

 これらの誘惑を、御言葉を持って退けられたイエス様に対して、第三の誘惑は、「御言葉を用いて」の誘惑でした。さも自分も神の側に立っているかのように装い、神の真実と愛を疑わせようとしたのです。

 ではどうしたらこのような誘惑に勝利できるのでしょうか。先ず、自分の知恵で対抗しないことです。サタンは人間よりはるかに狡猾で、知恵があります。勝利の秘訣は「神の言葉」です。「人はパンだけで生きるものではない」(:4)とイエス様は言われましたが、更に「神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」と言われたことを、他の福音書は記しています。確かに、食物は生きるに必要です。でもそれは、人間も動物も同じです。ただ人間が他の生き物と違うのは、神の霊を与えられたことです。この人間の心となっている神の霊の食物は、神の言葉です。人間が獣としてではなく、人として生きるためには「神の言葉」が必要なのです。第2の誘惑に対し、イエス様は「あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ」(:8)との御言葉で、サタンを一蹴しました。“私の心は、お前には支配させない。私の心は主のものだ!私は主をのみ礼拝する”と、直ちに宣言することです。詩編91編の御言葉をもって、“この御言葉があなたによって実現すれば、人々は驚いて、あなたを神のこと認めますよ”と誘惑するサタンの手に乗ってはなりません。イエス様でさえ証明しようとはしませんでした。きっぱりと、即座に「神である主を試してはならない」(:12)と完全に退けることが大事なのです。

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