行事案内

                                     礼拝説教要約(20151220日)

「地には平和あれ」     聖書・ルカ福音書2820

 今年ほど「平和」という言葉が語られ、考えさせられた年は、私の今までの人生の歩みの中でなかったように思います。戦後70年という節目の年であったことも原因でしょう。(先ず、この70年間の平和を感謝したいと思います。)しかしそれ以上に、戦争への懸念が増大しているからでしょう。戦争を体験した老齢の方々が、今の世情を「第2次世界大戦に突入して行った時の雰囲気に大変よく似ている」と発言しているのを、ニュースでしばしば見聞きします。

 確かに今年は防衛に関する考え方が変えられました。武器輸出3原則が変えられ、戦闘状態の国への武器輸出が可能になりました。また、新しい武器を外国と共同開発することも出来るようになりました。更に、平和主義を規定している憲法第9条も変えられようとしています。戦後70年で「日本は決して戦争をしない国である」と世界が認めるようになったのは、憲法9条のおかげです。しかし、「日本は戦争をする国になった」と世界の国々が思うなら、それは70年の積み重ねを捨てることであります。それは大きな損失であると共に、攻撃される危険性が増すことでもあります。多くの戦争は恐怖観念から「やられる前にやれ」と考えて起きてしまうからです。

 日本には専守防衛の自衛隊があります。これは国民の多くの人が今や認知しているものであり、これで充分ではないでしょうか。しかし平和憲法9条が変われば、自衛隊は自分の国が攻撃されなくても、集団的自衛権の名のもと、他国を攻撃する軍隊になってしまうのです。

 今朝の新聞に、防衛費は前内閣まではだんだん少なくなっていたが、第二次安部政権になってから連続上昇し、来年はついに5兆円を突破し、5500億円になると報じられていました。これが今の日本の状況です。

海外に目を移しても、I Sの蛮行は更に激しくなっており、それに対する西欧諸国、米国の爆撃も激しくなっています。シリアは独裁政治のアサド政権と、対する反体制派との間で内戦状態です。そして反体制派を支持している米国に対し、アサド政権支持のロシアが、パリの同時多発テロを機会に、I Sを攻撃すると言いながら、シリアの反体制派の地域を爆撃しているというような状態で混沌としています。そのために難民が急増し、ISとイスラム教徒を見分けられないこともあって、いろんな国に問題も出ています。
    今ほど平和が望まれている時代は有りません。
  
  このような地上の荒廃を、主なる神はご存知でした。人間が神から離れ、人間の知恵で人間社会を築くなら、戦いと汚染は、神にとっては自明のことだったのです。だから、人がパラダイスを追放された初めから、神は救いの手立てを考え、預言者をして救い主の到来を預言させ続けてきたのです。

その救い主の誕生を最初に知らされたのは羊飼いたちでした。彼らは平和を願う人々であり、平和に暮らしてきました。彼らは虐げられ、貧しく、社会の底辺にありました。でも、自分の境遇を受け入れ、地に足を付けて、戦うことなく穏やかに暮らしている人々でした。その平和の民に「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(:1011)と天使は告げたのです。救い主のおいでは、全ての民の喜びです。でもそれは又、私たちの救い主であると彼らは素直に受け入れました。その時、天使と天の大軍が「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(:14)と、救い主のおいでの意味を歌い、神を褒め称えました。

天に於いては、神の栄光の中に、真の平和があります。でも神は、その平和が地の上、人間社会にもあるようにと願っているのです。神は天と地とその中にあるものを全て創造された後、地上の全てを人間に委ねました。地上がパラダイスになるか否かは人間に掛かっているのです。残念ながら人間は神から離れ、神の御旨とは異なる罪・滅びの道を歩むようになりました。だからこそ、人間を本来の、神の霊を持つ姿に戻すために、救い主を送るご計画を立てられたのです。この救い主・私たち人間の罪を贖うために、十字架の上に死んでくださったイエス・キリストを心に受け入れるなら、私たちは人間本来の姿に戻ります。神の御心に添って歩む者によって、地上の真の平和は生み出されるのです。

新着情報











Copyright(c)Okamura Church All Rights Reserved.