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   礼拝説教要約(2015927日)

「賜物を生かす」       聖書・マタイ福音書251430

 牧師館の入り口の小さな花壇に、今年はゴーヤとキュウリを植えました。ゴーヤは幹を太く、蔓を長く伸ばし枝分かれしています。葉を青々と茂らせ緑のカーテンになりました。でも、木陰を造るために植えたのではありません。実を収穫することが目的です。期待以上に実を結び、何十本も採れ食べきれないほどです。今日の聖書の言葉で言うなら、タラントンを豊かに実らせた5タラントン、2タラントンの人のようです。しかし、一緒に植えたキュウリは蔓を伸ばしましたが、実は3本ほどしか採れませんでした。同じ土壌、同じ肥料なのに能力を発揮せず、怠け者よと叱られた1タラントンの人を連想しました。

 先週、天国に入るには「賢いおとめ」のようであれと語りました。「賢い」とはIQの高低、頭脳の良し悪しではありません。天国に入れないで滅んで行くことが、最も愚かなことです。だから、賢いとは心の目を醒ましていることです。心の目が覚めていれば、別の助け主として来られた聖霊と共に歩けます。そうすれば必ず、最善の道を歩き、必ず天国へたどり着けます。

 そして今日の箇所では、天国に入るには忠実であることが求められています。「忠実」とは神の与えてくださった使命に従順であり、そのために賜物を用いることです。使命を果たせるようにと、神は賜物を添えて与えてくださっているのです。人それぞれ、使命が違うように、賜物も違います。

 イエス様は全人類のために、十字架で死ぬという救い主の使命がありました。「キリストは、神の身分でありながら…人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」(フィリピ268)神であると共に人間でなければならない唯一の使命ですから、賜物も無限大です。ペトロやパウロ等の使徒は初代教会にあって、御言葉に仕え、宣教拡大の使命を与えられていました。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ1615) 彼らの補佐役として選ばれた7名の霊と知恵に満ちた人々も、成長するに従い御言葉を宣べ伝えだしました。その一人ステファノは「恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間でおこなっていた。」また、ステファノと議論する者も「彼が知恵と“霊”によって語るので、歯が立たなかった。」(使徒言行録6810) 彼はキリスト教における最初の殉教者となりました(使徒言行録7章)。もう一世代進んで、使徒ヨハネの弟子であったと伝えられているスミルナの主教ポリュカルポスは86歳で火刑に処せられる時、キリスト信仰を捨てるよう迫られたが「86歳のこの時まで、キリストに仕えてきましたが、キリストは一度として私を裏切ったことはありません。どうして私がキリストを裏切れましょうか!」と言ったと伝えられています。ヨハネ黙示録28節からの「スミルナの教会への手紙には『死に至るまで忠実であれ。そうすれば、あなたに命の冠を授けよう』(10)」とあります。これらの人々は5タラントン与えられた人々と言えるでしょう。大いなる使命を果たすため、大いなる賜物が与えられているのです。そして彼らは、主の従順に倣って従順でありました。彼らは殉教の死を遂げましたが、神から受ける報いは大きい。確かに、天において、冠をいただいているでしょう。

 大いなる賜物を欲しい人は、「5タラントンをください」と求めてください。勿論、それと共に大いなる使命も与えられるでしょう。でも、今与えられている賜物を生かして用いる忠実さが最も大事です。「忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。」(21)と主は言われるでしょう。

 自分には賜物がない。あの人は一杯賜物があっていいな!と羨まないでください。そのような思いが、賜物を土に隠すことになります。1タラントンだってすごい賜物です。多くの人はその賜物を生かしきっていないと言われています。潜在能力のままで朽ち果てさせてしまっているのです。多くの人の現れている能力は、隠されている能力の十分の一位だと言われています。自分の欲望のために用いようとする時、心が曇り、判断を狂わせ、ゼロどころか、マイナス・負の生産をしてしまうのです。つまり、命を育み、幸いな文化を築くのではなく、滅ぼし合う文化を築くのです。

 誰の人生でも評価される日が来ます。それが「主の日」です。そして人の評価ではなく、主が評価なさるのです。「この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」(30)になりたくありません。主に忠実であれば、賜物を生かして用いることができた者として「主人と一緒に喜んでくれ。」(21)と言われるでしょう。

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