行事案内

    礼拝説教要約(2015年2月8日)

「人が心に思い図ること」   聖書・ローマ書3:9〜18

 本日午後「病める心に接する」をテーマに信徒研修会があります。この準備をする過程で、現代は個人が病んでいるだけでなく、現代社会そのものが病んでいるのだと痛感させられました。

 先週、名古屋大学の19歳になる女子学生が、年老いた婦人を殺害し、逮捕されたというニュースがありました。その殺害動機が、「誰かを殺してみたかった」というのですから驚きです。この女性の場合、悪いことをしたという認識よりも、欲望を果たし、自己満足をしているようにも見えます。また、小学校5年生の男児が殺害されました。22歳の青年が逮捕されましたが、殺害を否定しています。彼の場合は、計画的なのか、突発的なのかはわかりませんが、悪いことをしたとの認識があるから、犯行を否定しているわけです。これらは誰が見ても悪いことだとわかる行為です。

 しかし、人を殺すのに「自分は良いことをしている」と思って行う人もいます。戦争という狂気の中での行為がそうです。今話題のイスラム国は、自分たちの残虐行為は神のためであり、この戦いは聖戦なのだと思っています。また、テロ、特に自爆テロを行う人は「自分は殉教者であり、神は喜んで天国に入れてくださる」と信じて行うわけであります。

 これらを見ると、現代社会が病んでいると思わざるを得ません。しかし、これらと比べると、「自分は未だましだ!」と思いますか?聖書は言います。「正しい者はいない。一人もいない。…善を行う者はいない。ただの一人もいない。…足は血を流すのに速く、その道には破壊と悲惨がある。彼らは平和の道を知らない。彼らの目には神への畏れがない。」(31018) 例外なく、正しい者はいないと書いてあるのです。神は、人間が悪人だ、善人だと言ったところで、「皆、わたしの前では50100歩だよ」と言うのです。

 「エッ、そんなに、私は悪いかな!」気付かないのが、病気を治せない原因であり、症状はだんだん更に悪化して行くのであります。このような人間の姿を、神はいち早く見抜いておられました。

 気づかず滅びへの道をたどっている人間。神は大洪水によってノアとその家族8人を除き、すべてを滅ぼされました。ノアと家族が祭壇を築き、献げ物をしたとき、「わたしはもはや二度と人のゆえに地をのろわない。人が心に思い図ることは、幼い時から悪いからである。」(創世記821口語訳)と言われました。「心に思い図る」ことが悪いなら、徹底的に裁く、というのが普通の考え方でしょう。しかし、生まれ付いて以来の罪の心は、人間の努力や修行では解決できないことを神様はご存知なのです。だから、残されたノアとその家族の内にも罪があることを知りながら、裁くことをしないと言われたのです。神が人間にエデンの園の回復を与える方法は、1.罪の進行を遅らせることでした。その具体的方法が、人間の言葉を乱すことだったのです。そして滅びを遅らせている間に、救いの源となるアブラハムを選び、その子孫に律法を与えられたのです。それは、2.自分たちの罪の姿に気づかせるためでした。「律法を実行することによっては、だれ一人神の前で義とされないからです。律法によっては、罪の自覚しか生じないのです。」(ローマ320)「自分は罪人、神の前に裁かれ、滅びるばかり」と認める者のみが、真に救いを求めるのです。

イエス様はそのような者を救うために来られました。イエス様は、ご自分が神の国を説き、奇跡を行うことで、人が悔い改め、救われるとは考えていませんでした。ノアの時、神が人間の心の深みまでご存知であったように、イエス様も、人間の力ではどうすることもできない罪が、人間の心の最も深い所にあることをご存知でした。「イエス御自身は彼らを信用されなかった。…イエスは、何が人間の心の中にあるかをよく知っておられたのである。」(ヨハネ22425) 3年間イエス様と寝食を共にした弟子たちは、「あなたこそ神の子・キリストです」と信仰告白したのもかかわらず、イエス様が捕らえられた時は、イエス様を裏切り、離れ去って行ったのです。これが、残念ながら、人間の姿です。これが私であり、あなたの罪ある姿です。

このような人間を救う道は、イエス様自らが人の身代わりに裁きを受けることでありました。自らの死をもって、滅びに向かう人間の内にある罪に気づかせ、人間の思考を変えてくださったのです。「神なんていない。神なしでも、人間の力で平和を築ける。幸福なエデンの園を造れる」を滅ぼし、神の御旨に従い、神の国を築く、真の人間の心を回復くださったのです。その心はイエス様の心です。「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。」(ガラテヤ220)

新着情報











Copyright(c)Okamura Church All Rights Reserved.