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  礼拝説教要約(2015年1月18日)

「恵みの座に近づこう」   聖書・ヘブライ書41416

 今日の聖書箇所から10章まで、大祭司キリストについて説かれています。「わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから」(14)と、大祭司キリストを紹介しています。このお方はもろもろの天を通過され(初代教会時代の天体に関する考えでは天は7階層があると考えられていた。パウロはUコリント122に「わたしは、キリストに結ばれていた一人の人を知っていますが、その人は14年前、第3の天にまで引き上げられたのです。」と記している)、人の子イエスとして地上においでくださいました。そして、真の大祭司としての務めを果たし終えて、天の天へと帰って行かれました。今は、天の父なる神の右に座して(全ての権能をたくされ)居られます。あなたはその主イエスの居たもう天に、その恵みの座に行きたいですか?

 人には生来、天の高嶺に行きたい願望があります。このことに関して創世記の中に2つの例が記されています。第1はバベルの塔です。「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。」(創世記114) バベルの人々は天に行きたいと願い、行けると思っていました。「行ける」とは、「自分たちには行く能力がある」ということと「行く資格がある」という考えです。自分たちは神の前に立っても、神に引けを取らない知恵を持っており、裁かれることのない正しい者であるとの傲慢な考えがここにはありました。彼らのこの考えは退けられ、砕かれました。

第2はヤコブの梯子です。「先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、しかも、神の御使いたちがそれを上ったり下ったりしていた。」(2812) この梯子は天から地へ向かっているのでしょうか?それとも、地から天に向かっているのでしょうか?口語訳では「一つのはしごが地の上に立っており、その頂は天に達し」とあります。私はこの梯子は地から天に向かって行くヤコブの願いだと思います。ヤコブの目は、先ず天にあり、心で天に達する梯子を築くのです。これは天への願望、バベルの塔と同じであります。しかし、ヤコブは行けないとの思いがあります。彼には罪の自覚があるからです。兄エサウを出し抜いて、祝福を得ようとした結果、彼は命を狙われ、この旅に出なければなりませんでした。それに、彼はこの世の祝福への執着があり、この世が足かせになっていました。だから、神に近づけないとの思いがあるのです。しかし、天の使いが梯子を上り下りし、天から地に降って来ることによって、ヤコブは神との接点を持つ事が出来たのです。上から働きかけてくださることによって、私たちの願いである神に近づくことは可能になるのです。本来近づけない罪ある私たち人間が、神に近づくために、イエス様が先に、私たちに近づいてくださった。イエス様はそのように、天から降ってくることによって、私たちと接点を持ってくださいました。

 しかしそのためには、大祭司としての務めが必要だったのです。この大祭司の務めに関しては、51節から記されており、来週、共に考えましょう。本日の最初に、「真の大祭司」と言ったのは、イエス様が、イスラエルにおいて立てられた大祭司とは異なるからです。「この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。」(15)とあるように、この大祭司の偉大さは、「罪がない」「試練に遭われた」「人間としての弱さを体験された」ということです。疲れ、誘惑を受け、罪を犯しかねないという肉体的弱さ、精神的弱さを体験されたにもかかわらず、罪を犯しませんでした。また、傲慢になったり、卑下したり、自暴自棄になることもありませんでした。しかし、その弱さゆえの痛み悲しみを知っておられるのです。それだけでなく、このような人間の弱さ(罪)を担ってくださったのです。人間の弱さを憐れみの対象として、目を注ぎ、思いやり、自ら贖いの犠牲となってくださったのが真の大祭司イエスなのです。

 初代教会の人々が遭った迫害という緊張状態の中で、「わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。」(14後半)は、既に、ある種の信仰告白が定まっていたことが分かります。その信仰を隠しておれば、迫害に遭わないかもしれません。しかしそれより、信仰を告白し、キリスト者であることを公にするとき、最も美しい時をご存知である神は、必要な時、必要な助けを与えてくださるのです。自分の力では神の御前に出ることは出来ないけれど、今や、大祭司なるイエス様が来てくださったのだから、はばかることなく、大胆に、神の恵みを受けるために、恵みの座に近づきましょう。

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