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    礼拝説教要約(2014年6月29日)

「この終わりの時代に」      聖書・ヘブライ書1:1〜4

 今後、ヘブライ人の手紙から、時あるごとに、皆さんと共に、主の御旨を聞いて行きたいと思います。伝道者になって40年、単発的にこの書から説教したことはあります。しかし未だ、この書全巻を通して、礼拝で説いたことはありませんでした。なぜかな?と自分でも考えました。そしてこの書が伝道的ではないからだと分かりました。

 「ヘブライ人」と書いてある通り、この書はすでに旧約聖書を知っているヘブライ人へ書かれた手紙なのです。だから旧約聖書を読んだことのない日本人には、分かりにくい書。説教しようとすると多くを説明に費やさなくてはなりません。だから、難しいと感じてしまいます。

 でも今年度は、洗礼を受け、一度は聖書の信仰を持ったにもかかわらず離れている人、礼拝を疎かにしている人が、もう一度、帰って来るようにと切に願う年にしようと心定めました。今年の標語聖句「安息日を心に留め、これを聖別せよ」は、皆と共に喜びに満ちた礼拝を守りたいと示されたからでした。だから、聖書を読んだことのある人を中心的対象者と考えてもよいだろうと思ったわけです。

 「手紙」となっていますが、手紙らしくありません。他の手紙は挨拶で始まりますが、この書は、最初に何の挨拶もなく、最後の結びに、それらしいことが少し入っているだけです。だから、この書は、手紙というより論文と言った方がふさわしいでしょう。

 クリスチャンは、ただ一人の救い主を信じ、信仰を持った人々です。「天の下、この名による以外に救いはない。」(使徒言行録412)とは、真だと信じています。ヘブライ人は唯一の神を信じた人々です。聖書に記されている神はただ一人の神様です。ヘブライ人への手紙は、形を変えて、このことから書き出しています。そしてこれが最も大事な聖書信仰の基礎であります。

ヘブライ人の祖・アブラハムは、偶像を神とする多神教の生活から、唯一の神を信じて旅だったのです。この神は被造物に対して、常に語りかけて来たお方です。「神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。」(12) これは多神教との決定的な違いです。

私たちの周囲では、神への願い事があるから、人間の方から神に近づき、神に願いを語ります。その願いが、自分の願う方向に向かうと、「これは本物の神だ」と評価し、感謝を捧げ、神として祭ります。逆に、その願い通りに進まないと「こんなのは神ではない」と捨てるのです。偶像神はこのようにして、人の数ほど生まれます。つまり、人が先にあって、自分の願いを聞いてくれたものが神となるのです。その願う対象は色々です。太陽、月、星、風や雲などの天体。岩や樹、田畑や海、山。人や牛、馬、狐等獣も神になってしまいます。自分の願いをどれだけ聞いてくれるかが、神であるか、神ではないとして捨てられるかの決め手になっています。これは、聖書に記されている神観念と全く違うものです。

 ここには、先ず神がおられた。その神がアブラハムに語りかけたように、あなたにも語りかけておられると言うのです。人が神の語りかけを聞こうとしないから、神はアブラハムやその後の預言者を用いて語られる。時には、夢や幻を通して。そして聖書には預言者たちを通して、神の御旨が書き残されているのです。さらに、終わりのこの時代には、御子・イエス・キリストによって語られたと言っています。

 「この終わりの時代」とは、現代に見る水や空気、土地の汚染による自然の滅びを言っているのでしょうか? でも、聖書が書かれた時代には、未だこのような現象は現れていませんでした。しかし、人の心にある自己中心から来る欲望と争いは、必然的にこのような汚染、戦争による滅びをもたらすことを神はご存知でした。そしてこの手紙が書かれた時代より、今は、確かに世の終わりの時代が近づいています。しかし、ここで言われている終わりの時代とは、天地を創造された神が、もう一度、直接この世に介入せざるを得ない世界になったことを意味します。神は人間に「治めよ」とこの世を託して下さいました。しかし「人間はこの世界を正しく治めていない。滅びへと向かっている」と神は判断なさったのです。それが終わりの時代です。そのため、神の独り子が、人としてこの世に来られました。人の罪を十字架で滅ぼし、清め、万物の創造秩序を元に戻されるために。そのお方こそ、イエス・キリストです。イエス様はあなたに先立って、語りかけておられる。何という恵みでしょう。終わりの時代を、再創造の時代にするため、私たちは先ず、神の語りかけ、聖書の御言葉を聴かなければなりません。

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