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礼拝説教要約(2013年8月11日)
聖書・ローマ書8:18〜30
「将来現わされる栄光」
 先週、わたしたちはキリストにあって一つとされ、兄弟姉妹と呼ぶ神の家族であると確認しました。なんと光栄に富んだことでありましょうか。
 しかし現実に目を向ければ、まことに混乱した状況が満ちています。一言で言うなら、滅ぶべき方向へと進んでいます。パウロはこのような状況を現在と将来に分けて記しています。
 戦争が日常のようであったパウロの時代と現代は違います。ことに第二次世界大戦後の日本は、平和ボケとも言われています。そのため戦いの恐ろしさが薄れ、インターネットでも、ゲーム機等でも戦闘シーンが流行り、人を平気で殺す場面が出てきます。死の描写は過激ではありません。その上、ゲームでは生き返ることもできるようです。
 一昨日から、中沢啓治さんが自分の被爆体験から描いた漫画「はだしのゲン」が話題になっています。描写が過激で、「読んだ子が、怖がって、トイレに一人で行けなくなった」とかの批判がでたとのこと。でもかえて、「原爆の悲惨さが心に伝わった。それは、素晴らしい感受性の持ち主だ」とほめてやるべきであって、本を読ませないということは、おかしいと言う意見に、私は共感しました。しかし今は、その光景が残酷すぎる。暴力描写が過激とし、また、間違った歴史認識を子どもに植え付けるからと、松江市では、図書館から本を撤去したとのこと。このような対応こそおかしいことです。
 全国戦没者追悼式で、首相は式辞でも「アジア諸国に対する加害責任には触れず、不戦の誓いという表現(歴代首相が繰り返し語ってきた)」も使いませんでした。今、政府の動きは平和憲法をも排除し、戦争のできる国を目指しています。100名もの国会議員が靖国神社に参拝しと報道されました。
福島の原発事故の汚染。海へは汚染水が垂れ流しになっていても気付かないいずさんさ。休んでいる原発の下に活断層があると判断された調査にもかかわらず、再開に向けて突き進もうとする経済優先主義。北朝鮮の先軍思想による脅威。韓国、中国との領土争い。だから戦える軍隊が必要なのだとの方向付けが成されてゆく。世界を見ても、シリアやギリシャの危機。22節にある「被造物のうめき」は、パウロの時代よりはるかに、増大しています。
 このままではいけないと分かっています。このまま滅びへ向かうことは神の御心ではありません。だから、被造物と共に、キリストにより贖われ、神の霊を回復した者もうめいています。この世の亡びへの流れを止めることができない人間の罪。それゆえに、主イエスの再臨によって全く変えられ、神の子とされることを待ち望んでいるのです。「被造物だけでなく、"霊"の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。」(:23)
 イザヤは主の来臨を預言しています。「見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。初めからこのことを思い起こすものはない。それはだれの心にも上ることはない。」(イザヤ65:17)人間が思い及びもしない時に、神の恵みのわざとしてこのことは起こるのです。この世がどうであろうと、この神に、イエス・キリストの霊をもつ私たちは希望を持つのです。この世界の更新は10年後か100年後か、1000年後か私たちには分かりません。しかし、その日は必ず来るのです。これを次の世代へ伝え、希望を託し続けることが大事です。
 神は創造のはじめに、「治めよ」と人間に被造物を託されました。しかし、人間がこのような状態だから、被造物はもっと混乱しています。色々な災害、地震、豪雨、猛烈台風、竜巻、オゾン層の破壊による危険。旱魃による飢饉。被造物が苦しむことは、必ず人間に跳ね返ってくるのです。パウロはこのような被造物の苦しみが見えない時代に、信仰の目で見て警告しました。今、私たちは、被造物のこの苦しみが目に見える時代に生きています。心から悔い改めねばならない時代だということです。
 そうすれば、将来、私たちに顕される神の栄光が約束されています。私たちは神の最高傑作なのです。神の霊の初穂をいただいているのです。崩れ行く世界の中で、神は人間に心を留めてくださいます。御自身の子にしようとしてくださっています。御子を遣わし、御子によって、私たちを贖い、本来の神の子としてくださる。これが神の約束です。これが私たちの希望です。
 だから、今は未だ実現していない時代ですから、忍耐の徳を与えてもらうことが大事です。「わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。」(:25) 神の計画は、最善の形で必ずなるのです。(:28) そして「御子の姿に似たもの」(:29)にしてくださる。これは私の最終、最高の願いであります。なんと栄光に富んだ将来が約束されていることでしょう。感謝!
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